お手本を捨てた時、本当の力になる。〜 守破離 〜


最近大切なものを捨てることにしました。

ひとつはSONYのWALKMAN。

もうひとつは、マジックトーク
(コールド・リーディング)のDVD教材。


iPhoneを買ってから、
音楽はiPhoneで聴くようになり、
WALKMANを持ち歩くことが
なくなってしまいました。

綺麗に使っていましたから、
リサイクルショップにでも持っていけば、
数千円、数百円くらいで
売れたんじゃないかと思います。


でも、
「捨てる」ことにしました。

WALKMANを最も活用していたのは、
大学生の時。

マジックの動画を
繰り返し見てイメトレしたり、

マジックで使う音楽を繰り返し聴いて
動作のタイミングを合わせたり、

あるいはマジックトークやセラピーの
教材を聴いたり見たりです。

あ、もちろん普通に
流行りのラブソングを聴いたりしましたよ。


そうやっていろんな記憶や
エネルギーが張り付いたものだったからこそ、
ちゃんとさよならしようと思ったわけです。

リサイクルショップに売ったら、
それがまたこの地球のどこかで、
誰かの私物として存在している。

というのがなんか嫌だったので、
ちゃんと終わりにしようと思って捨てました。

いろーんな思い出に感謝しながら。




そしてもうひとつ。

マジックトークのDVD教材。

中に買った当時の領収証も入ってました。

『2010年6月20日
    78,000円』


8万円弱!!!

大学3年生当時の8万円って、
かなり高額です。

(いや、今でも高額!笑)


あの頃…

学生マジシャンでも本当に上手い人や、
レベルの高い人達が
周りにごろごろいました。

(僕よりもたくさんの仕事をこなして
  たくさんのお金を稼いでいたり!)

あのメンタリストさんとかも
生で見てますからね。

だから、

何か他のマジシャンにはできない、
自分だけのパフォーマンスがほしかった。

独自の世界観が欲しかった。


そのひとつが、
マジックトークへの興味になりました。

マジックの中で観客の心を読んで、
悩んでいることに対して
希望を持てるアドバイスをしてあげる。

そんなことができたら夢のようだなぁ。

と当時たしか考えてました。


電車の移動時間、授業が始まる前、
暇な授業中、マジックのお仕事へ行く前…

ひたすら勉強した記憶があります、
あのWALKMANで。




そしてマジックトークは、
今の僕を構成する
ひとつの要素になってくれたと思います。

(そのおかげで
  セラピストさんの生徒さんがいますし)


でも、

次のステージ、これからのステージには
もう必要ない気がしました。

決して安くない購入代金、
何回も読んだテキスト、
いろんなアイディアが書き足されたテキスト…。


捨てることにしました。

これも、
生徒さんにプレゼントしたり、
ネットオークションで売ったり
できるほどの価値あるものですが、

あえてここで、
その物質とはさよならしたいと思いました。


物質こそなくなりますが、
熱心に研究した思い出、
僕の中に根付いた技術は決して消えないから。



教材の中で、「守破離」
ということが説かれていました。

最初はそのまま形を真似して行う【守】。

慣れてきたら形を崩す【破】。

最後は完全にオリジナルとして
お手本から離れる【離】。


学びが本当の意味で自分のものになったり、
自分のものとして何かを表現する時、

大切なことはお手本や先生から
「離れる」ってことだと思います。

【破】の段階では先生の顔色を気にしたり、
お手本を振り返ったりして、

100%自分の感覚・自分の言葉に
なってないんですよね。



というわけでさようなら。

いろんな思いがあって、
ぶっちゃけちょっと寂しいんですけど、

これほど大切なもの
— けれどもう僕の中で古くなったもの — 
を手放すことで、

新しい知識や技術、豊かさが
入ってくるように感じてます。




捨てる、手放す、卒業する、次へ進む。

という話でした。


マジックアーティスト Matty

Photo:Ro-j Chang